2019年01月26日

「津軽のカマリ」を見てきました。

1月12日にシネリーブルで上映中の「津軽のカマリ」を見てきました。
言わずと知れた高橋竹山の自伝的ドキュメンタリー映画ですが、初代
高橋竹山から二代目高橋竹山へとバトンを繋ぐような作品で津軽という
厳しい自然の中、貧しい暮らしを強いられた人々の苦労と強さも丁寧に
描いている良質の作品でした。いやー見に行って本当に良かったな。
高橋竹山のCDは1本だけ何故か家にあり(夫が持ってたのだと思います)
昔よく聞いていたのですが最近はすっかりご無沙汰していました。
芸事というより視力を失った竹山にとって三味線は生きる術であり、
劇場がない時代芸事でお金を稼ぐには門付するしかない、玄関口に立ち
三味線を弾く。芸人というより物乞い、乞食扱いやったそうです。
石を投げられたり罵声を浴びせられたりしたこともあったとか。
アンプラグドで3本の弦が奏でる圧倒的な音。他の三味線奏者では到底
出せない生きるために命がけで弾いてきた旅の香りが伝わる音で、
竹山の三味線を聞くだけでも十分映画を見る価値はあると思います。
全ての芸術に関わる人が見ると感じるものがある作品やと思いますし
音楽に携わる人、特に弦楽器をつかさどる人には見て損はない内容です。
「カマリ」とは「匂い」を意味するそうで津軽の匂いがする音を奏でたい
と竹山は言ってました。厳しい風土や貧しさ、沢山の犠牲の上に生された生。
その過酷な人生を食べるために芸事として音として表現し生きてきた竹山。
圧倒的で迫力がありながらもなんて緻密で繊細な音なんやろう。
晩年になってからもダメになった姿を見てほしいと舞台に立ち続けた竹山。
そしてその竹山を支え続けた奥様も目が悪いそうで東北では目が悪い女性は
巫女になったのだということも私は全く知りませんでした。お二人の苦難は
今を生きる私らには想像に難いものやと思います。誰も竹山のような三味線
はもう弾けないだろうと映画でも仰っていました。しかし色は違えどその心
は二代目高橋竹山に受け継がれているんやなと公演を見て感じました。
二代目は女性なんですね。琉球ぽい感じの衣装に身を包んだ線の細い綺麗な
方で青森では中々二代目高橋竹山として認めてもらえなかったそうですが
青森で行ったコンサートの映像は圧巻でした。代が変わって変わっていくもの
それでも変わらないものがあるんやと感じて心が震える音でした。
私の大好きな初代高橋竹山の1974年の青森公演の岩木を貼っておきます。
https://youtu.be/sbVxV8g_XiA
津軽のカマリ、温さ一切なしの中々ヘビーな内容ですが良質な映画でした。
おススメです。
posted by menchan at 17:03| Comment(0) | 雑記